こんにちは。ブロ銀です。
今やキャリアアップを目指すビジネスマンの中で高い人気を誇る「中小企業診断士」。
人気が高い一方で、合格に必要な勉強時間は一般的に1,000時間と言われ膨大な時間がかかることに加えて、1次2次試験を通した合格率は約4%と非常に難易度の高い国家資格としても知られています。
本記事では、そのような時間も労力もかかる「中小企業診断士」を「銀行員」という立場の私が目指そうと思った理由について紹介させていただければと思います。
この記事を通して、これから診断士を目指そうと思われている方や銀行員として出世、キャリアアップを目指している方のきっかけにほんの少しでも参考になれば幸いです。
銀行員である私が中小企業診断士を目指した3つの理由
結論から言うと、私が診断士を目指した理由は下記の3つです。
- 銀行員でありながら経営に関する知識が乏しいと痛感したため
- 銀行(会社の看板)に依存しない人財となりたかったから
- 勤務する銀行に「中小企業診断士養成課程」への派遣制度があったから
1つずつ解説していきます。
1. 銀行員でありながら経営に関する知識が乏しいと痛感したため
私は、銀行に入行した1年目から8年目まで法人営業に従事してきました。法人営業は銀行においてはいわゆる花形部門の1つであり、私はその最前線でこれまで500人を越える経営者と出会い金融支援を行ってきました。
もちろん営業になりたてのころは右も左も分からず、なかなか成果を残すことができませんでした。
しかし、従来、人とのコミュニケーションを取ることが好きなことに加えて、人一倍負けず嫌いな性格も相まって営業5年目に差し掛かるころには安定した成果が残せるようになりそれなりに充実した銀行員生活を送っていました。
今振り返れば恥ずかしい限りですが、その当時は支店の数字も牽引していたため、「エース」等と周囲からチヤホヤされ自信に満ち溢れていたと思います。
しかし、そんな自信が粉々に打ち砕かれ、「このままじゃダメだ…」と気づく出来事が発生します。
それは、懇意にしている社長から
ブロ銀くんもぜひうちの経営会議に参加して色々意見をいただけないだろうか。
と言われ、意気揚々と参加した時のことです。その会議では会社の現状を踏まえた今後の経営戦略について話合う会議でした。
その会社は地元でも著名な優良企業でありリテラシーの高い従業員の方々を多く抱える企業でしたが、その会議の中で使用されるフレームワーク、経営理論について全く知識がなく、繰り広げられる議論に全くついていくことができませんでした。当然、意見を求められても気の利いたこと1つ言えず、逃げるようにその場を去ることになりました…。
その時に気づいたんです。
自分自身は『金融』の知識はあるが、『経営』に関する知識が圧倒的に不足しているということに。
実は、銀行員は経営者と話す機会の多い最たる業種でありながら、『経営』について改めて学ぶ機会は乏しいのが実態です。「なんとなく」営業に出て、「なんとなく」経営者と面談し、その過程で経営とは何たるかを「なんとなく」理解していくというのが実情としてあります。
それでも、融資対応については、決算書を読む力、社長とのコミュニケーション力、論理的思考力があればある程度対応できてしまいます。
一方で、外部環境が目まぐるしく変化する中、経営者のニーズは多様化、高度化していることに加えて、他業種による「金融業界」への参入もさかんで競争環境も厳しくなっています。
「経営」について体系的に学び、中小企業診断士を取得することで
と強く思うきっかけになった出来事でした。
2. 銀行(会社の看板)に依存しない人財となりたかったから
地方銀行員は、地元においては誰しもが会社の名前を知っている特殊な職業だと思います。
知名度が高いことに関してはメリット・デメリットがあるでしょうが私はメリットが非常に大きいと感じます。
例えば、地元で飛び込み訪問をしても、経営者の方々の多くは「●●銀行さんね、なんか用事?」と話しを聞いて下さるケースが多く、邪見に扱われることは少ないです。
私は新入行員時代に、地元の支店に入行しましたが銀行員としての経験が浅いにも関わらず多くの企業様と新規取引を開始していただくことができました。
今でこそ恥ずかしいですが当時の私はまだ若く、新規開拓の結果を自分自身の能力・スキル・センスによるものだと信じて疑いませんでした。
そのことが大きな勘違いだと気づいたのはキャリアで初めての転勤で、県外支店に勤務となったタイミングです。
地元の支店で新規開拓で一定の成果を上げていた私は県外支店でも自信満々で新規開拓に臨みましたが、最初の1年間で全く成果が残せませんでした。理由は明確です。
自身の知識、経験・能力も圧倒的に不足している中で、目の前の経営者の方々に対して、わざわざ地元行を差し置いて県外の銀行と取引をする付加価値を提供することができなかったからです。
この時に
「前任店で成果が残せていたのは地元で高い知名度のある銀行の看板の力があったからであって、自分の力ではなかったんだ・・・」
という冷酷な事実に気づくことになります。
当時は自分自身のプライベートでも結婚をしたばかりの中で、一家の大黒柱として家族を守っていかなければ、と覚悟を決めていたタイミングでもありました。
一方で、日本全体が終身雇用を前提としない世の中に変わってきたことや、当時マイナス金利政策の真っ只中で、最後まで銀行員として働き続けられるのか外部環境的にも暗雲が立ち込めていた時期でもあり、
銀行(会社)の看板に依存しない自分自身のスキル・専門性を身につけたい!!!
と強く考えるようになり、銀行員としてシナジーが高く、場合によっては士業として独立も視野に入れることのできる「中小企業診断士」の取得を決意しました。
3. 銀行に「中小企業診断士養成課程」への派遣制度があったから
中小企業診断士の資格に興味を持ったタイミングで、合格までの戦略を考えていたところ、勤務する銀行に東京の中小企業大学校にて毎年開校されている「中小企業診断士養成課程」への派遣制度が存在することを知りました。
養成課程とは。簡単に言うと、下記の図のように1次試験に合格した後、2次試験の代わりに国が定めたカリキュラムを修了すれば2次試験合格者と同様に中小企業診断士の資格を得ることができるという制度です。
勤務する銀行の派遣制度は、この養成課程通学において通常必要な「大学への入学金(200万円以上)」「実習などの交通費」に加えて「養成課程通学期間内の給料」の全てを銀行が拠出してくれるという最高の内容。
この制度を利用すれば、1次試験に合格しさえすれば、養成課程で実践的なスキルを身につけつつ、効率よくかつ確実に診断士になれるのでは?と考えました。
1次試験は科目合格制度があり、3年の間に7科目合格すれば良いため諦めさえしなければ、合格できるという根拠のない自信も相まって、この派遣制度が中小企業診断士取得を目指す最後のダメ押しとなりました。
「中小企業診断士養成課程」で過ごした日々は自分の人生においても非常に貴重な財産となったため、また違う記事でまとめさせてもらえればと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
診断士の受験勉強は長く辛い、孤独な闘いとなります。おそらく何度も挫折しそうになるタイミングが来ると思います。私もそうでした。
そんな時に大事なのは、「なぜ自分が診断士取得を目指そうと思ったのか」ということに立ち返ることだと思います。
それができればモチベーションの維持につながり、合格に一歩近づくことになると考えています。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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